ゲームのことをあれこれ書いていきたいなと思い立ちまして、
ゲーム関連専用のページをご用意致しましてん。
今回はコラムです。
コラム第一回目です。
第一回目はゲームの音楽についてですね。
ゲームの音楽ってもうね、語りたいことが山ほどある領域です。
(音楽の知識なんてほとんどないんですが。)
巷で人気の音楽とはひと味もふた味も違い、
作曲者の個性や、世界観への融合の仕方が全面に出ていたりしますし、
映画やドラマの音楽とはまた違った雰囲気を全体に持っています。
前置きが長くなってしまいましたが、
今回の獲物(!)はこちらです。
Kokoro / Joanne Hogg Theme from “Xenosaga Episode I”
2002年発売のSF叙事詩RPG「ゼノサーガ エピソードI 力への意志」の主題歌KokoroとPainです。
もう10年以上前の作品なんですよね。ビックリ。
ゲームの内容は割愛致しますが、奥深さは今でも色あせない名作だと思います。
機会があれば是非ゲームも遊んでみてください。
さて、
Kokoroはエンディングテーマに、Painは劇中歌に使用されているのですが、
ぼくはPainの方がお気に入りです。(※Kokoroももちろん名曲だと思っています。)
日本語で痛みを指すPainですが、
Painはゲーム登場キャラクターのKOS-MOSとシオンをイメージして作られているのではないかと、
そんなことを思います。
KOS-MOSは、作中で人類の脅威となる存在、グノーシスを掃討するために造られた、
女性型の戦闘用アンドロイドです。
彼女の行動原理は「任務・理論・効率」を原則に置き、決定・実行されます。
故に、見た目が人間に限りなく近い存在であっても、その行動は、人の持つ性質を体現することはありません。
彼女自身が自己に疑問を持ち、理解することもなければ、他者と自己の違い、または共通点を見出すこともありません。
あくまで戦略兵器として、与えられた任務を遂行するために存在しています。
振る舞いはあくまでシステムに制御された彼女なのですが、
劇中では、時折、人の様に振る舞う姿が垣間見れます。
それは、今作の主人公であり、KOS-MOSが最優先で守るべき人物、シオンとの関わり合いの中で生じます。
KOS-MOSは自身の任務中、最優先事項である「シオンの生命の保全」を遂行するために、自らの躯体を危機に晒し続けます。
超人的な能力を持つアンドロイド故の、無機質で驚異的な自己犠牲。
KOS-MOSがそれを通して辿る道のりが、この物語のキーとなります。
と、物語の説明になってしまいましたが、
シオンが持つ「傷み」をKOS-MOSが感じとろうと願う潜在的な共感の思いを、透明感と深みを持って奏でています。
メロディも作曲者である光田康典節が随所に散りばめられていて、
特に2番のサビに入る辺りからの盛り上がりが、
何かが覚醒するじゃないかと言うくらい心地いいものになっています。
歌っているJoanne Hogg(ジョアンヌ・ホッグ)さんの声も魅力的で、
女性が持つ独特のたくましさと深みを丁寧に音に合わせることで、
多面的で整然とした、宇宙空間を漂っている様な感覚を味合わせてくれます。
「傷み」をテーマにした楽曲って、
そんなに見受けられない様な気がします。(※知らないだけでいっぱいあるのかも知れませんが…)
殊に、この曲で扱っている「傷み」とは、単なる身体の外傷に留まらず、
心理的な傷みのことを主に指しているんですよね。
非常に哲学的なテーマだと思います。
誰かの「傷み」を普段からしっかり理解できているのか、考えさせられますね。
作中でも「あなたの傷みを、私に下さい」というKOS-MOSの台詞があるように、
共通の「傷み」を知ることで、自己と、他者の境界を補完していきたいと言う、
人が人と理解を深めたいと希求する、根源的な願いが秘められています。
人造されたアンドロイドと言う特殊な存在であるからこそ、
そんな願いは、人が持つ感情よりも希有なものなのかも知れないですね。
そんな感じです。
話は全然変わりますが、このCDジャケットって誰がデザインしたんでしょう。
かなりSFチックな見た目になってますよね。
ジャケ買いに持ってこい(?)だと思います。
あ、寝るときに聴いたりなんかするといいと思います。よーく寝れます。
寝るときかけたりして、10年以上聴き続けてます。
誰かの傷みを理解したいと願う方達に、オススメします。
そんなこんなで、では、また。